「第一回論理の構造を考えるワークショップ」 (開催案内)

2017年6月16日
ソフトウェア技術者協会東北支部



「第一回論理の構造を考えるワークショップ」 (開催案内)を以下の概要で開催致します。
趣旨をご理解 の上ワークショップにご参加下さいますようにお願い致します。

  題名:「第一回論理の構造を考えるワークショップ」
  主催:ソフトウェア技術者協会東北支部
   場所:秋田県仙北市田沢湖生保内2番地1 黒湯温泉
   日時:平成27年8月27日から、29日まで
  議題:近代文明の超克(伝統文化とビッグサイエンスの融合)
     文明比較による論理の構造の違い
     東アジアにおけるコンピュータエンジニアの役割
  参加費:30,000 円
  発表者:荒木啓二郎(九州大学)
    (予定)張漢明(南山大学)
     栗田太郎(フェリカネットワークス株式会社)
     鈴木郁子(元シャープ株式会社)
     熊谷章(タオベアーズ LLC)


概要:
 ビッグサイエンスと巨大工業技術は20世紀を高度な科学技術社会に変容させた。 130億年前のビッグバンから宇宙が生まれ、地球が誕生した筋書きも科学的に 説明された。 科学技術を駆使した社会は、合理性と効率性と利便性を追求した 結果、豊かで便利な 社会システムを手に入れた。 しかし、その反面自然環境は 破壊され、巨大科学技術システ ムは等身大の規模を遥かに超えて、人知の制御 が効かない状態になっている。 その結果、人類は地球温暖化などの多くの深刻 な問題に直面している。
 国内では、東日本大地震で起 きた原発事故を筆頭に森 林の荒廃、ダム工事による河川のコンクリート化、海の汚染などの問題が起き ている。 東アジアでは、北朝鮮の問題、中国の東シナ海の干拓工事、韓国の 政 治の混乱、日本のアメリカの提灯持ち政治、中国とアメリカの覇権 主義争い、な ど政治 的な問題とクライシスが多発している。 これらは、皆現代社会の政治の 貧困から齎されて いる。
 科学技術の進展に比べて、人類の心と価値観が遥かに 遅れて劣っていることが原因 であると考えられる。 また、政治の貧困さがこの 現象に拍車をかけている。 一方、科学技 術社会の担い手である科学者と技術者 はこの現象に対して口を噤んでいる状態といってよい。
 現代の細分化された専 門分野と専門家の意識がなせる業かも知れないが、人は全的存 在だと考えれば 情けない事態に陥っているとしか 考えられない。


 このような大状況を背景にして、コンピュータ事業に従事している科学者と技術者が東ア ジア社会において、 既述の問題と課題の解決に向けて何をどうすれば よいかを議題の三点 を基軸として議論し、今後の研究開発の方向と考え方の指針を得たい。
 いまでは、コンピュータはメルチメディアの表現媒体として言葉と共に生活のインフラス トラクチャとして定着した。 紙と言葉しかなかった時代から、紙とコ ンピュータと言葉の 組合せにより世界を劇的に変革させた。 コンピュータ原理 を貫いているのは論理であり、 ロジックである。論理の構造の再考を通して民 族や国家を超克した意味の表現が できる可能性が高い。 民族主義を擁護しなが ら、民族主義を超えて意味を共有し理解し合える表現 が可能に違いないと考え ている。 このような考え方を東アジアで展開する最初の一歩として今回のワー クショップを企画した。
 次に、文明比較(比較文化論)による論理の構造の違いについて簡単に説明する。 論理学は人類に不変の思考形態と考えられ勝ちだが、実は文明(文化)によって 論理の構造が違 っている。 異種類の文化圏において、既存の論理体系がそれぞ れの文化圏における歴史的、 社会的、風土的な制約を受けていることが事実である。 異質的な思惟方法、表現方法を認め、それを反省し解明することによっ て人類は新しい思考の創造に向かって進めるようになる。 これは仏教学者中村 元の謂いである。 論理学は、西洋では、logic, Logik, logigue と呼ばれ、日 本ではこれを論理学と訳した。 当初はこの訳が中国と韓国でも使用された。 しかし、20世紀初頭、中国では logic は伝統的な名学に相当すると考えられ、その後必ずしも内容が一致しないことから、 logic を邏輯という漢字で音写する ようになった。一方、インドと南アジアでは古来論理学の伝統が存在し、 それらは西洋の論理学とは独立に発展してきた。インドでは、nyaya という語が用 いられ、道理、論理、方法という意味である。
 また、tarka は、思考、思索を表す語である。これらに対して、独立な学問として nyaya-sastra と  tarka-vydya を考え出したのは、 西洋で曖昧な logic という語を用いているの に対して、 一つの進歩であるといえる。 西洋では、論理と論理学を一般に区別しない。 西洋、インド、 中国、日本での論理の構造がいかに違っていたかをみ ることに意味がある。

プログラム:
8 月27日:
オープニング 10:30~12:00 昼食 12:00〜13;30
発表 13:30~18:30
 荒木啓二郎:「論理の構造と思考形態と方法の関係」
 張漢明:「理性的判断基準、理解力、正しさの証明、想像力」
 栗田太郎:「実社会の論理とコンピュータによる論理の実装」
 鈴木郁子:「文化、技術、コンピュータ、ソフトウェア」
 熊谷章:「現代文明の超克と言葉と東アジア」
8月28日:討論  9:00~18:30
8月29日:まとめ 9:00~12:00

以上