3. 基調・招待講演

オープニングキーノート: 「文化としてのソフトウェア -人の営みとしてのソフトウェア開発」

講演者: 法政大学 教授 玉井 哲雄氏

概要

ソフトウェアは他の工業製品と同じように人工物であり,人が構想,設計,開発し,そして人に使われる.その意味で「エンジニアリング」の対象たるべきであり,ソフトウェア工学はそれを目標として 40 年以上にわたり多大な努力を注ぎこんてきた.

しかし,ソフトウェアには他の工業製品と異なる特性があることも確かである.プログラムにはプログラミング言語という「言語」で記述される「作品」という性格があり,その開発作業は言語行為につながる面がある.また成果物は物理特性のない抽象物であり,そのために人の文化活動の産物という色彩が,「もの」によって具体化される他の製品より濃く現れる.

「文化としてのソフトウェア」とはずいぶん気取ったタイトルだが,さまざま分野で幅広く行われているソフトウェア開発という営みとはどんなものなのか,改めて皆さんととも考えてみたいと思う.

招待講演: 「永平寺の七道伽藍と修行」

講演者: 大本山永平寺 布教部 部長 西田 正法氏

クロージングキーノート: 「『京』からエクサスケールへ -スーパーコンピューター開発と国家プロジェクト」

講演者: 東京工業大学 教授 牧野 淳一郎氏

概要

2011 年夏に全ノードが納入されたスーパーコンピューター「京」は,2011 年 6 月,11 月と Top 500 の一位を占めた.これは素晴らしい成果であることは疑いない.しかし,なぜ国家プロジェクトとして計算機開発をする必要があるのだろうか? また,「京」の成果の意味はなんだろうか?

本講演では,計算機開発における国家プロジェクトの意義とその歴史的変化を概観し,「京」では何を目指すべきであったか,また現在計画段階のエクサスケールでは何を目指すべきかを考えたい.