SEA-Forum on Nov.2010 実施報告
テーマ:SEMAT(Software Engineering Method and Theory)
報告者:Forum世話人 奈良隆正
今回のForumはチェンジビジョンの平鍋健児社長にSEMATと称する「ソフトウェア工学再建」運動についてご講演を頂きました。
平鍋氏はご自身のBLOGで、SEMATは「ソフトウェア工学再建」とも言うべき復興運動で、現在のソフトウェア工学があまりにもお粗末であることを省みて、再度、基礎からソフトウェア工学を積み上げあげようではないか、という動きではないかと解説しています。また、そこに署名している人たち(プレゼン資料参照)の顔ぶれすごい、とも述べています。
今回は2010年2月に発表されたSEMATの「ビジョンステートメント」について、それを要約し解説して頂きました。ビジョンステートメントの題名は“Software Engineering Method and Theory-A Vision Statement”です。これは6つの章と5つの付録で構成されています。章立てと付録は以下の通りです。
原著 http://www.semat.org/pub/Main/WebHome/SEMAT-vision.pdf
【本文】
1. Purposes and scope(目的と範囲)
2. The vision(ビジョン)
3. The kernel(カーネル)
4. The goals(ゴール)
5. The principles(原則)
6. One-year milestone(1年のマイルスト)
【付録】
1.定義(Definition) 2.理論(Theory) 3.ユニバーサル(Universals)
4.カーネル言語(Kernel Language) 5.評価(Assessment)
解説は第3章のカーネルを中心に全般にわたり幅広くして頂きました。カーネルはSEMATの基本的な枠組み(The Semat Diamonnd)を説明しており多少時間を掛けて解説して頂きました。さらにOne-year milestone(1年のマイルストン)に対応する2010年2月以降の検討経緯についても説明して頂きました。これに基づき2011年3月には何らかのレポートが発表されるのではないかとの期待を持ちました。
発表資料:SEMAT~Software Engineering Method and Theory
ご講師のご好意により、当日使用されたスライドを公開致します。
SEMAT-20101129(PDF:6.7MBytes)
・今回の参加者は25人(会員:15、賛助会員:3、一般:7)で、其れなりに盛況だったと思います。
・ご講師にはSEMATに対して中立的な立場で現在の状態を客観的に説明して頂きましたので、参加者とっては大変勉強になったと共に更に興味を深めることが出来たと思います。
・質疑では多くの質問や意見が出ましたが、批判的な意見が多かった様に思います。もう少し建設的な意見が出てもよかったと思いますがそれが無かったのは一寸残念な気がします。
・せっかくなので、今回1回で終わりにせずに、3月に新たなレポートが出されると思いますので定期的に継続して取り上げたいテーマの一つだと感じました。
- 以上 -